やがて、劇団が忙しさを増しジァン・ジァンとは疎遠になっていったが、劇場の主催だったか出版社の主催だったか忘れたが自作の詩を朗読する「現代詩人の集い」みたいなものが開催されたことがあった。
長田弘、関根弘、白石かずこ、諏訪優諸氏らではなかったかと思うが、これ可なりいい加減な記憶である。
「昭和も出ろ」久しぶりにジァン・ジァンを訪れた。
寺山さんはそこで「アメリカよ 小雨けむる俺の安アパートに貼られた一枚の地図よ」で始まる「アメリカよ」を朗読した。「昭和、これは見せる詩だ!もっともっと叫べ!」俺にはそう言っていた詩を淡々と一つの感情も入れずに謳い上げた。「いいね〜」隣に座って身震いしたのを憶えている。そのお陰で最後に語った「ロング・グットバイ」は悲惨そのものであった。